対談時の4名(税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士)の様子
行政書士:会社設立時に合同会社がよいかどうかという話がでてくることがありますよね。
社労士:最初多いですね。個人か法人かというのと合同会社か株式会社のどちらかと・・・、設立時の費用が安いというのが独り歩きしていて、合同会社を設立して後悔される方が多いですね。困るのは不動産賃貸借契約が結べないことがあることですね。実際、最初に合同会社で会社設立してから株式会社に組織変更という会社が何件かありました。
税理士:合同会社は設立費用の安さだけですよね。
社労士:合同会社だったら個人事業でいいのではないでしょうか。ただ、設立時の5万円は大きいというのはありますね(注:合同会社は定款認証が必要ないので、株式会社と異なり公証人の手数料の5万円が不要となる)。
行政書士:あとあとの合同会社設立での不利益は軽く5万円は超えます。
司法書士:一般的なネームバリューといいますか、合同会社だと取引先などとの関係で大丈夫ですか?と聞きます。安い方がよいという場合や法人格があればよいという場合は合同会社を勧めることもありますが、通常は株式会社を勧めることが多いです。
社労士:最終的に思うのが在職中にお金を貯めていたかどうかは重要ですよね。ちゃんと考えている人はお金貯めてますよね。
税理士:お金の話がでましたけれど、起業するならこれくらいお金は貯めておいてもらいたいというのはありますか?もちろん、業種や事業規模とかで異なるのでしょうが・・・。
私の考えとしては、昔の有限会社の最低資本金の300万円くらいは欲しいかなと思いますね。
行政書士:どうしても300万円くらいは、使ってしまいますね。
社労士:生活費3ヶ月とか6ヶ月とかいいますけれど、それでは士業でも実際無理ですからね。
社労士:今、会社の通帳をつくる(預金開設する)のは結構大変みたいですね。いきなり銀行に行くと駄目なのですか?
司法書士:駄目ですね。仕事の内容や不動産賃貸借契約は結んでいるのか?など聞かれて、銀行がホームページを確認することもあります。代表者の個人口座があれば、比較的スムーズに開設できることが多いですね。
社労士:通常、会社の預金はまず個人で取引のある銀行に行くのがよいということですね。
行政書士:許認可事業を考えている方はきちんとお金を準備されている方が多いですよ。建設業ですと500万円以上の資金調達の目途がないと許可がおりませんから・・・。借りたいお金と同じくらいの資本金にするのがいいですよね。
税理士:日本政策金融公庫などは資本金の2倍くらいまでの借入というのがありますよね。ですから、融資を考えると資本金はある程度の金額にした方がよいです。
社労士:10年くらい毎月3万円貯めていた方がいて、銀行の評価も高く、融資も100%希望額受けられたということがありました。それだけ本気度が見られたのでしょうね。
野崎社会保険労務士事務所
社会保険労務士 野崎 秀史 氏
野崎社会保険労務士事務所ホームページ
http://www.nozaki-office.jp/
社労士:前職を綺麗に辞めている方、揉めて辞めている方といろいろ見られますよね。揉めて前面にたてないので奥様を代表にする人もいますし、前職の社長にうまくかわいがってもらって付き合っている人もいますね。
行政書士:前職から仕事をもらうのは結構見られます。
税理士:昔は伸び悩む方が多いのかな?と思っていたのですが、実際は前職のお客様を引き抜いてくるケースの方が最初から勢いがあって伸びているように見えます。
社労士:うまい人は辞め方も結構念入りに計画してますよね。
社労士:事業計画書がしっかりしていればしているほど伸び悩んでいるケースが多いような気がしますが、そのあたりはどうですか?細かすぎるんじゃないかなと。
税理士:ああ、そういう人はおそらく事業計画書をつくること自体が目的になっているからじゃないでしょうか。方向性を決める上では大雑把でもつくる必要はあると思います。
司法書士:事業計画をつくってくれという話がでたことありますが、断ったことがあります。自分の事業なので自分でつくった方がよいのではないですかと。
税理士:事業計画の話がでましたが、細かくつくった方がよいというケースもありますよね。関係者からお金を引っ張ってくるには(出資や融資)、細かい方が有利だったりします。
行政書士・社会保険労務士 鈴木事務所
所長:鈴木 祐一郎 氏
鈴木事務所ホームページ
http://www.ssys.biz/
行政書士:最近副業ができる時代になっているから、勤めながら会社をつくる人もいますね。
社労士:最近多いですよね。
税理士:ありますよね。あんまり表にはだせないかもしれないのですが、役員報酬とか出さなければわからないというのもありますよね。
将来的な不安などからで、これからの時代そういう形も増えるかもしれません。
行政書士:逆に初めてすぐ事業を辞める人も増えてますね。
一同:(うなずく)
司法書士:一方ここ1、2年くらいで解散・清算登記の依頼も増えてます。
事業自体が成り立たなくて、設立から1年くらいで辞めるというケースですね。
社労士:創業時を見ているとみなさん明らかに計画よりお金がかかってますよね。
税理士:かかってます。やっぱり最初は気持ち予算より多めに準備しておくのがいいですよね。初期費用もできれば気持ち抑え目にした方がいいです。
社労士:役員報酬は最初は抑えるべきとか・・・。(笑)
税理士:(笑)最初から多くの役員報酬を取っている人はだいたいうまくいかないですよね。役員報酬にも税金や社会保険がかかっているということも意識にあまりないように見受けられます。
行政書士:自分や従業員の時間が有限だと分かっている人ですかね。反対に経費を抑えたいから何でも自分でやっている人も見られますね。
社労士:それでぐちゃぐちゃになったり・・・。自分の強いところと弱いところがわかっている人が強いですよね。自分は営業しかできないと思うから、アシスタント使うかアウトソーシングするとか・・・。うまく使ってもらえたりするとうれしかったりしますね。
税理士:そうはいっても、創業時はやはり営業の重要性は高いというのは事実だと思いますが、こういう方法が見た中ですごいなとか、時代的に効果あるのでは?とかありますか?
行政書士:お酒屋を開く時にFacebookで宣伝かけて集客がうまくいったのがありましたね。Facebookは(人を)集めるのに向いてますよね。
税理士:お金もかからないですし、いいですよね!
社労士:友達がいいね!いいね!とかで・・・、書籍なんかもそうですよね。誰かがいいね!というと・・・。
行政書士:みんなが集まってくれて、値段がそれほど高くない業種だと向いてますよね。
税理士:ところで、起業される方は新規開拓営業される方はほとんどいらっしゃらないですよね。前職関係に顔出す他は営業としてあとは何をしているのか・・・。セミナーとかDMとかやっているのもあまり聞かないです。
社労士:横でつながって紹介で食べていくという形になってますよね。それで、伸びてる会社は営業しているよねと、当たり前の話なのですが・・・。
税理士:ホームページも本当に簡単なものだけでSEOとかしているわけでもなさそうですし、また、アナログの飛び込みとかも効率性の問題はありますが、そういうこともあまりやっているようにはあまり見られません。広告もある程度やっていかないと伸びていかないじゃないかなと。
社労士:広告とかも形が変わってますからね。飲食店だと以前はぐる〇〇が主流だったのですが、今は食べ○○の方が主流になってますもんね。びっくりしました。〇〇ログだと声(口コミ)が入っていて、ポイントが付いているんですよ。
税理士:ネットの中でも口コミとか入っているのが強いのかもしれませんね。時代的に口コミが強いように思えますね。
長い文章をお読みいただき、ありがとうございました。
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